リフレクションとは,自身の活動から得た学びや感じたことを「内省」「省察」することです。
自身の学びについての気づきや,新たな問題意識の獲得など,高い教育効果を期待して行われています。
本事例では,個人が行ったリフレクションを全体で共有する場面や「リフレクションのリフレクション」を行う場面で,スクールタクトを活用しています。
スクールタクト導入前では数人分のリフレクションを全体で紹介し共有する程度でしたが,導入によって全員分のものを共有することや学生間の相互交流が可能となり「対話的で深い学び」や「思考の交流」が活性化している点が特徴的です。
大学での90分の講義(ゼミ)に限らず,他の学校種においても本事例におけるリフレクションの考えを取り入れることで,児童生徒学生の学びを支えることができます。
※本事例記事は上條先生へのヒヤリングを基にコードタクトが作成しました。
講義時間の最初15分を使って,前時に行った講義(ゼミ)のリフレクションを共有し,意見交流を行います。
学生がそれぞれの考えを発信できるよう「安心安全の場づくり」を行うことがポイントです。そのために,互いが肯定的な態度で参加する姿勢を講師も学生も心掛けています。
【スクールタクト導入の効果】
講師が数人のもののみをピックアップして共有する場合,講師の好みや意図などによる選考の偏りがどうしても拭えません。スクールタクトにより全員分を即座に共有できることで,このような偏りをなくし,学生の学びを支えることができます。
スクールタクトはそれぞれが持っている端末で利用することができるので,パソコン室でなくともICTによる思考の交流が簡単に行えます。
模擬授業などの本時の取り組みを行います。
メモを取りながら参加する学生や,自分の考えとの共通点や相違点を見出しながら参加する学生など,それぞれの方法で講義(ゼミ)への主体的な参加を行います。
講師は「今日の活動を通して気づいたこと感じたことを書いてください」と指示を行い,学生は本時の内容に対するリフレクションをスクールタクトに書き込みます。
学生が感じたことの記録としてスクールタクトに記入するだけでなく,その場で自分の考えと自分以外の人の考えとを練り合わせ,その結果を書いてもらうことで,参加学生の効果的な学びを促進します。
【スクールタクト導入の効果】
自分の考えと自分以外の人の考えを簡単に閲覧することができ,より簡単に,より大規模な思考の交流を支えることができます。
講師も参加学生のリフレクションを気軽に確認することができ,コメントやいいねによって,学生への肯定的な態度を伝えることができます。
本時の内容は,次の時間の冒頭に再度読み合わせを行い,「リフレクションのリフレクション」を行います。
学生が新たな問題意識を持つなど,自律的な学習のサイクル構築にもつながります。
東北福祉大学教育学部教授
研究内容のキーワードは,リフレクション,ワークショップ,ディベート,学級崩壊,インクルージョン教育(多文化教育)
大学での講義(ゼミ)においてスクールタクトを積極的に活用していただいており,スクールタクトヘビーユーザー向けワークショップのファシリテーターも担当していただきました。
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