クラスサイズ:高等学校1年 35人
ICT端末の整備環境:1人1台(導入過渡期、1年生のみ)
使用端末:iPad
教科名:英語文法
授業のねらい:
教科に関わらず、「分からないところをみつける」ことが学習において重要であると考えます。中学校で学習した内容が深まる「不定詞」のような項目において、生徒自らが既習項目外を見つけ出すことを目的としました。グループで難問に挑戦するため、主体的に必要だと思われる知識を収集・共有し、活用する能力を育むねらいです。
不定詞の形容詞的用法と副詞的用法は中学校で履修済みですが、高校ではその内容が深まります。中には中学校で学習した内容が、高校内容の理解を遮ってしまっている生徒がいます。そのため、生徒自信が「知っている」情報とそうでない情報の取捨選択を主体的に行えるようなることが必要だと考えました。そこで、難問を解くための「カンニングペーパー」を作らせることにしました。カンニングペーパーには、限りあるスペースにできる限りの情報を詰め込まなければなりません。そのためには「知らない」「わからない」情報のみを効率的に書き込んでいく必要があるわけです。最後はグループで知識と思考を持ち寄って難問を解きます。グループ内で誰が発表することになるかわからないので、全員が同じ知識を持っておく必要があります。
この活動を行った後、確認の意味で知識伝達型授業を行います。生徒たちはこの活動を通して、「予習をした」ことになります。
今回は一枚のシートに「じぶんがわからない情報を詰め込む」ことを目的としたので、サイズやレイアウトを自由に決められるClassiNOTEは生徒たちにとって大変使いやすいものでした。
また、生徒たちには文字をタイプ入力で行うように指示をしたので、ワードクラウド機能を使うことができました。その有用性は後述します。
edit機能の協働編集も使いながら、グループ内で難問を解きます。他の生徒のカンニングペーパーも見られるようになります。発表者は、「提出するのが一番遅くなった生徒がいるグループのうちのだれか」などの方法もとることができました。また発表は、当てられた生徒のスライドをスクリーンに投影します。
不定詞の名詞的用法と動名詞を終えた後に実施。不定詞の形容詞的用法、副詞的用法の知識伝達型授業を一度も行わないでこの授業を実施します。中学校で勉強した「副詞的用法は『〜するために』形容詞的用法は『〜するための』」だけではない使い方があるということだけを伝えておきます。
生徒たちは教科書や参考書、インターネットを用いて、対象項目の「知らないこと」「わからないこと」を一枚のシートにまとめることでカンニングペーパーを作成します。スペースは1枚のシートしかないのだから、教科書やインターネットの記事を丸写しするだけではダメだということを念押しします。
また文字はタイプ入力させていたので、ワードクラウド機能を使うと多く用いられているワードが表示されます。生徒に提示して、自分に心当たりのないワードが大きく表示されているのであれば、自分のカンニングペーパーにも反映させるべきだとアドバイスすることが可能になりました。
クラスによっては「私が作ったカンニングペーパー自慢」という時間も設けました。意図やこだわりを他人に伝え、参考になったものは自分のものにも反映させるというものです。
【ClassiNOTEの導入効果】
ワードクラウド機能が非常に有用でした。客観的に自分のシートに足りない部分を示されるので、生徒たちからは「あの言葉って何?」という声が上がっていました。
【役立つ機能】
「リアルタイム回答一覧」「ワードクラウド機能」
作成したカンニングペーパーを使いながら、配信された難問を解きます。カンニングペーパーとは別のシートなので、スクリーンショットしたものを難問シートに貼り付けます。自分のカンニングペーパーしか見てはいけません。とはいえ、完成しなかった生徒は宿題になりますし、カンニングペーパー以外を見てはいけないというのはそこまで強制力のあるものとしていません。なにより「答えを知りたい」という気持ちが生まれればそれで大成功だと思います。
ちなみに難問シートは普段使っている授業スライドなので、その後の知識伝達型授業を行う際にそのまま用い、かつ短時間で終えられるよう計画しました。授業中に終わらない場合は宿題としました。
【ClassiNOTEの導入効果】
生徒が二つのシートを並べて使うことができれば、もっと便利だなと感じました。
【役立つ機能】
「リアルタイム回答一覧」
個人で作った解答を持ち寄って、より精度の高い解答を作ります。発表の際、私が「なぜ?」という意地悪な質問をするので、解答にたどり着くまでの道のりも話し合う必要があります。
また、「提出が一番遅かった人がいるグループのだれか」のように、グループ内で誰が発表することになるかぎりぎりまでわからないようにしておくことで、生徒たちは上記の内容を確実に共有しておかなければなくなり、学び合いが生まれます。
スクールタクト上で「提出」の状態が把握できるため、競争も生まれてスピーディな活動が可能になりました。発表者のスライドを投影することも便利でした。
【役立つ機能】
「協働学習機能」
・わからなかった問題がわかるととても嬉しかったです。
・難問の問題がカンニングペーパーの範囲外の難しい表現が多かった気がしました。
・それを含めての勉強と言えばそうだと思うけどせっかく作ったカンニングペーパーが活躍できないのが少し残念に思いました。
・問題がとても難しかった
・問題が難しくなかなかカンニングペーパーの中身だけだと難しかった。でも授業も楽しいし、考える事楽しいと感じた
・もっと上手くまとめられるよう頑張ろうと思えた
・とても力になったと思う。自分のわかっていないところがわかったので、そこを重点的に勉強すれば得点も上がると思う。
・ついていけない人は絶対についていけない。
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